スイカ葉の病斑
スイカ果実の病斑

 県農作物病害虫防除所は20日、県内全域にスイカ炭疽病の注意報を発表した。主に露地栽培のスイカで例年に比べて発生量が多いとされており、病気が広がらないよう生産者に注意を呼びかけている。

 炭疽病は糸状菌と呼ばれるカビによって引き起こされ、葉や果実に淡褐色の病斑が現れる。水はけが悪く高温多湿の環境で多く発生し、カビが残る土が飛散することなどで感染が広がる。

 同所の発表によると、発生は5~7月の梅雨時期で、今月中旬の露地栽培スイカでの発生ほ場率は日高地方を中心とした県中部では83%(平年13%)、発病葉率は8・3%(平年1・6%)。過去10年でも発生率が高くなっており、発病葉率は最長62日の梅雨期間を記録した2021年の7・4%を上回って過去10年で最高となっている。大阪管区気象台発表の1カ月予報(6月17日~7月16日)によると、今後も雨や曇りが多く、発病に好適な条件が続くとみられている。

 JA紀州いなみ営農販売センターの大野隆之センター長によると、御坊市名田町や印南町の主な産地では、作付割合がハウス8割、露地栽培2割で、ほとんどがハウス栽培のため炭疽病の影響は少ないが、今月中旬から露地栽培スイカの出荷も始まり、病気がまん延しないよう生産者には注意を呼びかけている。「今年は雨が多く果実への被害も心配されますが、被害を最小限にし、いいものを安定して出荷できるように努めていきたい」と話している。

 防除上の注意点としては▽発病茎葉や果実を速やかに取り除き、ほ場の外に持ち出す▽5~7日感覚で薬剤防除を梅雨明けまで続ける▽ほ場の排水性を改善するとともに、降雨の跳ね上がり防止――を呼びかけている。

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