昨年3月末で閉校となった由良町大引の旧白崎小学校で4月2日、校舎を活用した和洋食堂「しらしょう」がオープンする。町の観光振興事業に取り組んでいる一般社団法人紀州の環(中初美代表)が運営し、シラスやアカモクなどの地元食材を使った料理を提供するとともに地元産品の販売所も設置。地域住民の憩いの場とともに、観光にもつなげていく。

 白崎小は昨年3月末、由良小と統合するため、衣奈小とともに閉校した。その後、活用に向けた検討が始まり、町が管理を大引区に委託し、同区が同団体と連携して食堂をオープンすることになった。

 食堂は校舎の1階部分を使い、元のランチルームを食事スペースとし、教室にあった机や椅子を一部使ったり、子どもたちの制作物を展示したりするなど小学校の雰囲気も残す。メニューは調整中だが「由良のアカモク丼」「シラス丼」「有頭エビフライの定食」などを検討しており、調理については同団体が以前白崎海洋公園で行っていたレストラン運営の人材やノウハウを生かす。地元の農産物や漁業関係の加工品などを販売する特産品・土産販売所も設置する。現在、工事を行っており、今後外壁の清掃なども行う。5月スタートをめどに子ども食堂機能も加えていく予定となっている。

 旧白崎小の活用については大引区が災害時の避難場所機能や住民の生きがい、コミュニティー活動の場として、紀州の環が食堂や販売所をはじめとする施設活用事業の実施を目指す共同のプロジェクトを設けており、紀州の環では「今回はプロジェクトの第1弾。今後も防災拠点、住民のコミュニティー、観光によるにぎわい創出を目指した活動をしていきたい」と話している。

 オープンに先駆け、今月31日に内覧会を実施。午後1時から天音太鼓の演奏、2時から餅まきを行う。