岸本周平知事は25日、県内での「空飛ぶクルマ」の運航実現に向けた県版ロードマップ・アクションプランを策定したと発表した。2025年の大阪・関西万博までに県内での離着陸場や運航ルートを選定、実証実験を行う考えを明らかにし、当面の離着陸場の候補地には和歌山市のマリーナシティや白浜町の南紀白浜空港旧滑走路などを挙げた。

 空飛ぶクルマは電動で垂直に離着陸する移動手段で、ドローンを乗車可能にしたものやEV(電気自動車)をベースにプロペラや自動制御システムを備えたものを指す。滑走路が不要で騒音が少なく、整備・運航コストがヘリと比べ安価なのが特徴。和歌山県では今年2月1日、総合建設コンサルタント株式会社長大(東京都)と連携協定を締結し、運航に向けて取り組んでいる。

 ロードマップ・アクションプランでは万博までを導入期と位置付け、空飛ぶクルマの離着陸場の選定など、運航可能な環境を整備。活用方法は①エアタクシー②災害時の人命救助や物資輸送、医師搬送③山間部・離島間移動④娯楽・観光――を想定し、実証実験を進めていく。万博から30年までは成長期とし、周辺府県との連携や離着陸場の拡大などで運行の柔軟性を確保し、利便性向上を図る。30年以降は発展期とし、車、バス、鉄道など既存インフラとの連携・共存を実現し、新たなビジネス創出など地方創生にも取り組む。

 岸本知事は「離着陸場には海岸沿いのスポットやヘリポートも候補に挙がってくる。まずは観光面で活用していきたい。京都から岩出市のレストランまでヘリで飛んで来る77万円のツアーがあるが、そういったものにも空飛ぶクルマが使えるのではないか」と話した。
 岸本知事の会見では23日投開票の衆議院和歌山1区補欠選挙で自身が支援した自民党元職の敗戦についても問われ、「敗軍の将は兵を語らず。これ以上のコメントはありません」とし、当選した日本維新の会新人の林佑美氏には「国会議員の一人として協力関係を構築したい」と話した。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA