
自民党の二階俊博衆議院議員の三男で秘書の伸康氏(46)が17日、田辺市で会見し、次期衆院選和歌山新2区からの立候補を表明した。同党の政治資金問題に秘書としての連帯責任を感じる半面、40件を超える出馬要請に応える責任があると出馬を決断。「故郷を愛する仲間と一緒に一歩踏み出し、地方の未来を守る」と、力強く決意を述べた。
「政治は一人ではできない」…支援する知人、友人、恩師ら約30人が駆け付け、伸康氏の後ろに並ぶ異例の会見。真砂充敏田辺市長らも同席し、伸康氏の日高高校後輩の石倉大裕さん(44)が司会を務めた。
伸康氏は政治資金問題の責任を取る形で父俊博氏が次期衆院選への不出馬を表明したことを受け、自身に後継の資格がないのではと自問を続ける中、県町村会など多くの出馬要請に強く後押しされたと説明。衆議院定数の「10増10減」の影響で地方の痛み、苦しみが国に届きにくくなることへの危機感を強く感じるとし、「森林や水田の保全、都市への食料や人材供給を担って国土を守っているのは私たち地方。地方の消滅は国の消滅につながりかねない」などと、地方の発展に力を注ぐ考えを示した。
政治資金問題には国民の信頼回復へ丁寧な説明、議員の世襲には議論が必要としたが、最終的にはいずれも選挙で有権者の審判を仰ぎたいとの考え。父俊博氏に対しては「誇りに思い、感謝している。一方で、時代に即して政治のあり方も変わらなければならない」と話した。選挙に向けては自民県連に新2区候補となる支部長予定者としての選任を求めたとし、党本部からの公認にも期待した。
伸康氏は御坊市島出身、田辺市東陽在住。日高高校時代はバスケ部主将。青山学院大学法学部公法学科を2001年3月卒業し、全日空勤務を経て、14年9月から俊博氏の公設第一秘書となり、俊博氏の党総務会長、幹事長時代を支えた。去る15日付で公設第一秘書を退職し、現在は私設秘書。
和歌山新2区には共産党公認で御坊市選出前県議の新人楠本文郎氏(69)=塩屋町南塩屋=が立候補を表明している。