炊き出し用の荷物を積み込む尾崎隊長(28日夕方)

 石川県能登半島地震の発生から2カ月がたち、全国から集まるボランティアの受け入れも活発化する中、みなべ町の民間災害ボランティア団体、紀州梅の郷救助隊(尾崎剛通隊長)が29日、同県能登町からの要請を受け、被災地支援に出発した。地震の発生から5日後の出動以来2回目で、今回は能登町内の各避難所で炊き出しなどを中心に活動する。

 梅の郷救助隊は、能登町でもワーケーション事業に取り組んでいる一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会の島田由香代表理事の紹介で支援活動を始め、1月の出動時は町内の避難所運営の手伝いなどにあたった。

 地震発生から2カ月が経過し、能登町では仮設住宅の設置や倒壊した住宅の撤去も始まったが、町の光景や道路の状態も地震発生時から変わっていないという。水道も完全には復旧しておらず、飲み水は使用できない状況にある。現地の役場職員も被災しながら昼夜を問わず業務に追われており、梅の郷救助隊は今回、役場職員の「サポートに来てほしい」という要請を受けて出動することになった。活動は29日から3日まで4日間の予定。女性4人を含む隊員7人のほか、みなべ町議の4人も参加している。

 炊き出しの食材は地元企業や団体、農家ら12組から提供を受けた。みなべの梅干し、印南のミニトマト、有田のミカンなど、和歌山ならではのものが集まった。尾崎隊長は「被災地へ向かうにあたり、多くのご支援をいただきました。皆さんの思いを受け止め、和歌山の心を届けに行きたいと思っています」と話した。