日高高科学部の3人(左から芝君、川口君、藁科君)

 第67回日本学生科学賞(読売新聞社主催、旭化成協賛)の県審査で、日高高校科学部3人による「Oohoオーホ! の強度に関する研究」が最高の県知事賞に輝いた。レゴ(組み立てブロック玩具)で作った装置で200回以上の実験を繰り返して導き出した研究で、11月11、12日に行われる中央審査に進む。同校の県知事賞は3回目となる。

 オーホは海藻などの天然成分由来の食用膜で「水カプセル」などと呼ばれ、ペットボトルやカップの代替品として環境汚染対策として注目されているが、さまざまな課題もあり、一般化はされていない。

 日高高科学部の川口智也君、藁科貴太君、芝一輝君の3人は、インターネットでこの新技術を見つけ、さまざまな課題の中で強度に着目し、研究テーマとした。オーホ自体はアルギン酸ナトリウムや乳酸カルシウムで作ることができ、複数のオーホを正確に作るため、オーホ製造装置を作製。プログラミング機能があるレゴを使って半自動的に製造できる装置が完成し、さらにレゴを使った強度測定装置も作った。

 実験はアルギン酸の濃度、アルギン酸水溶液の量、乳酸カルシウムの濃度などを変えながら強度を測っていく作業で、200以上のオーホを作って強度データを集め、最適解となる濃度や量を導き出した。結論には、平均値7・8Nの強度をもたせたことに成功し、さらに完全な球体に近いほど高まることを証明。飲みやすさなどには課題が残ることも記した。

 川口君は分析や条件の考察、藁科君は装置の製造、芝君はオーホの製作などを担当。受賞に喜んでおり、「個性ある研究と思うので、中央でも評価してもらえればうれしいです」と期待を込めている。

 同校では2014年に生物部が日高平野の鳥類調査で初の知事賞を受賞し、20年にも生物部が電柱とスズメの関係を調べて2回目の受賞をしている。