最近、月の変わり目に必ず聞く商品値上げのニュース。今月は約3500品目余りが値上がりした。またかともううんざりの域。一度くらいは思いっきり羽を伸ばして生活してみたいと思うばかり。

 5月に発表された今年の家計調査の結果では、2人以上の世帯が消費に使った金額は月28万6443円で、3カ月連続の減少。内訳は電車や飛行機などの「交通」や旅行費用などを含む「娯楽」への支出が増加した一方、携帯の「通信費」、エアコンや掃除機などの「家庭用耐久財」が減少している。

 気になるのは、一体みんないくら貯金しているの?ということだが、金融広報中央委員会の昨年の調査によると、単身世帯の平均貯金額(預貯金、株式、投資信託、その他金融商品を含む)は871万円だという。「えっ、こんなにも?」と思いがちだが、これは全年代を通しての金額で、給与所得者全体の5%といわれる年収1000万円以上の人も含まれている。莫大な資産持ちが平均額を一気に上げているためにこの金額になっているわけで、現実的な数字はデータの数が一番多い「中央値」を見ればよい。中央値では100万円となっている。

 単身世帯の貯金額の中央値を年代別にみると、20代で20万円、30代で75万円、40・50代で53万円、60代で300万円、70代で485万円。これは単身世帯の額なので、2人以上の世帯となるとこの倍の数くらいになるだろう。これで老後2000万円が必要というのだから、なかなか厳しい。

 お金の話は下世話というイメージがまだ根強く残っているが、こんな今の世の中だからこそ、お金の話を小さい頃から教えてほしかったなとつくづく感じる。(鞘)