台湾の生徒の民泊受け入れの様子(今年4月日高川町の家庭で)

 一般社団法人紀州体験交流ゆめ倶楽部(金﨑弘昭理事長)が取り組んでいる日高地方の教育旅行は、今年度に入り予約件数が急増している。コロナ規制が緩和されたことでインバウンドの需要が高まり、事務局には国内外問わず問い合わせが入っている状況。同倶楽部はさらなる集客アップのため、会員・事務局が一体となって民泊受け入れ家庭軒数を増やしていくとしている。

 日高地方の自然やものづくりに触れることができる教育旅行・民泊の予約状況は、昨年5月の時点で1件のみだったが、今年の同時点では9件に急増。先月には台湾の高級中学生33人を受け入れ、10月末まで海外はマレーシア、ベトナム、国内は神奈川、埼玉県などの学校から予約が入っている。インバウンドの需要増加や受け入れ人数も一度に50~100人と大人数となっていることから、ゆめ倶楽部では現状57軒ある民泊受け入れ軒数を100軒まで増やす目標を設定した。

 農家体験などさまざまなメニューがある体験活動の受け入れも好調で、現時点で県内外の小中学校、高等学校28校から予約が入っている。今後は大学との連携も図りながら学校関係の受け入れを強化するほか、一般観光客にもターゲットを広げ、ツアー商品の開発にも取り組む。

 10日、日高川町の南山若者センターで開かれた総会で金﨑理事長は「日高地方へのリピーターが増えるよう、これからも積極的な営業活動を展開したい」と話し、今年度はプロモーションにも力を入れていくとした。

 ゆめ倶楽部は法人化から2年が経過。引き続き3年は県や各自治体で構成する御坊日高教育旅行誘致協議会の補助金の支援を受け運営するが、3年後は行政に頼らない運営が求められる。自立に向け「会員の掘り起こしに力を入れ、スピード感のある対応を行っていきたい」と話した。

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