新型コロナウイルスが2020年1月15日に初めて国内で感染確認され、以後、爆発的に蔓延した。全国で人口の約3割に当たる約3372万人が感染し、死者数は7万4000人を超えた。県内でも約24万人が感染し、530人が亡くなった。全世界の感染者は約7億6500万人(死者数約700万人)にも及んだ。

 コロナ禍の3年間は学校が休校になったり、不要不急の外出を控えたりするなど今までに経験しなかった生活が強いられ、仕事帰りに飲食店で食事することさえも難しかった。現在は感染が終息したという訳でないが、8日に感染法上の分類が2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類に移行。社会はウィズコロナにシフトし、各地で催されていたイベントなどが復活しつつある。観光地などでもにぎわいが戻り、感染対策のマスクについても外している人が徐々に増え始めた。

 コロナ禍の3年間を振り返ると、最初はウイルスがどの程度の脅威を与えるのかということも分からず、人々はおびえ、恐れた。見えないものに対する恐怖から必要以上の対策を講じたのではなかろうか。半面、気づかされたことも多い。これまでの当たり前の生活がいかにもろく崩れてしまうかということもその1つだ。

 コロナ禍の中で日常の生活が大きく変わったが、将来的に現在の生活が何らかの理由で今考えている〝当たり前〟とは異なっているかもしれない。当たり前と思っている平和も同じ。ウクライナがロシアに侵攻されたことをみれば分かる。今の不自由なく平和に過ごしている生活を続けるには、現状に対して疑いを持つことも必要ではないか。(雄)

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