日高川町の和佐小学校で、児童が地域の祭りを体験するイベントが開かれた。

 同小学校に通う児童は和佐・松瀬区に住んでいて地域の祭りと言えば、「笑え、笑えー」と白塗りの顔にカラフルな衣装の「鈴振り」が有名な丹生神社の笑い祭。和佐区では一般的に、四ツ太鼓の乗り子を含め、小学中学年ごろから祭りに参加し始めるそうで、笛は見よう見まねで覚えていき、数年後には立派な吹き手になるという。ところがここ3年間は、新型コロナの影響で祭りが中止されているため、練習する機会もなく、新たに参加したいと思っている子どもを迎え入れることもできず、移住世帯の子どもなどあまり祭りを知らない子に知ってもらう機会も失われていた。

 これに危機感を感じた和佐若中祭礼委員会が体験会を企画。体育館で、笑い祭の由来などを説明したあと、若中のメンバーが笛と太鼓でお渡りの際の音楽を演奏。雌雄の鬼が颯爽と登場し、舞獅子も笛と太鼓に合わせて披露した。最後は児童が鬼を取り囲んでささらで頭をシャンシャンと撫でてもらったり、獅子舞に入って動かしてみたり。太鼓の演奏も叩くリズムを教わりながら体験し、楽しんでいた。今後は笛の練習会や四ツ太鼓の披露なども企画していくという。

 私も和佐小学校の卒業生で当時のことを思い返すと、クラスの男の子の半分くらいが祭りに参加していたかと思う。親が参加している子が自然と参加するようになった印象で、移住してきた家族が突然参加するのはやっぱり敷居が高い。こういう体験会はいい機会で、子どもだけでなく親子参加で開催するのもいいかもしれない。地域の祭りが廃れてしまわず、秋には笛や太鼓の音が聞こえてきてほしい。(陽)

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