ロシアのプーチン大統領が英国によるウクライナへの劣化ウラン弾供与などを口実として、隣の同盟国ベラルーシ国内に、自国の戦術核兵器を配備すると表明した。
戦況は互いに兵士、武器・弾薬を消耗しながら、ウクライナ南東の一部をロシアが占拠した状態が長く続いている。米欧は核使用をちらつかせるプーチン大統領を刺激しないよう、ウクライナへの戦闘機の供与に踏み切れないでいる。
この状況に、ウクライナの若きリーダー、ゼレンスキー大統領は怒りといらだちを隠さない。先の岸田首相訪問時も日本のマスコミの取材に応じ、世界に向けて、「第3次大戦の脅威は高まっていない。ロシアの脅威を怖がるのはやめてほしい」と訴えた。
ロシアが侵攻を開始したとき、プーチン大統領も世界も「ウクライナはすぐに降伏するだろう」とみていた。しかし、ゼレンスキー氏は米欧の呼びかけを拒んで首都に残り、侵攻から2日後、数人の側近とともに屋外から動画を発信し、「私たちはここにいます。私たちの軍隊もここにいます。市民もここにいます。みんながわが国の独立を守っています。これからもそうあり続けます」と静かに強く決意を示した。この瞬間、国際社会の潮目が変わった。
人口約2500人の小さな村がロシア軍に占拠され、敵が撤退後に残っていたのはわずか30人。ほとんどが虐殺されていた。この現実をみたとき、現状での停戦交渉はありえないというゼレンスキー氏の主張は当然で、私たちも想像しなければならない。
ロシアがこの侵攻に成功すればどうなるか。戦火はさらに西へ拡大し、同じ考えの国は私たちのすぐそばにいる。ウクライナ、日本、そして世界のために結束を。(静)