7日、サッカーワールドカップ日本代表チームの帰国をニュースで見た。森保一監督、吉田麻也主将が姿を見せると、集まったファンから自然と湧き起こったのは大きな拍手と、「ブラボー!」「ありがとう!」の嵐だった◆20年前の日韓ワールドカップでサッカーファンになり、ゴールの瞬間を目の当たりにするのは本当に気持ちのいいものだと初めて知った。ベルギー戦で得点した稲本潤一選手が、人差し指を立てて笑顔で走っていく姿は今でも目の奥に焼きついている◆今回も日本代表の試合時間をチェックし、すべてテレビ観戦。ドイツ戦、コスタリカ戦、スペイン戦で気持ちが上がったり下がったりしながら、クロアチア戦が終わった時には「ああ…」という気分にもなったが、その後の選手達の熱い涙を見、言葉を聞いていると、感謝しかないという気持ちが湧き起こってきた◆2010年の南アフリカ大会からひいきにしている長友佑都選手が連呼していた「ブラボー」。イタリア語で、賞賛の気持ちを込めて発する感嘆詞。語源は古代ギリシャ語で「野蛮な」の意味があったという。次第に「勇敢な」「素晴らしい」と意味が転じていったそうだ。クラシックのコンサートではよく耳にする。響きが力強く、「よく頑張ってくれた」という気持ちを一言で表すのにぴったりかもしれない。流行語大賞の決定時期がもう少し遅ければ、ぜひ入れてほしいところだった◆全身全霊を込めて、熱く戦いに打ち込む。その姿を見ているだけで、日々の暮らしに擦り切れそうな心に点火してもらえる。スポーツは素晴らしい。本当はウクライナも、香港も、ミャンマーも、世界中の国や地域がそういう戦いを通じて結ばれればいいと思う。命を的にした悲しすぎる戦いではなく。  (里)