10日に告示された知事選挙は27日の投開票へ舌戦もきょう一日限りとなった。前衆議院議員の無所属新人岸本周平候補(66)が盤石の組織体制で優勢。元和歌山市議の共産党新人松坂美知子(66)と、政治団体「新党くにもり」前代表の無所属新人本間奈々(53)の両候補はともに出遅れや知名度不足の巻き返しを図っている。

 岸本陣営 今年5月に出馬表明し、これまで活動を展開していなかった紀南を中心にあいさつ回り。自民党の推薦を巡っては紆余曲折もあったが、最終的に自民はじめ、国民民主、立憲民主の各党本部や社民党県連、県市・町村会、連合和歌山、各種団体など約300件の推薦を受けて盤石の態勢。告示後も県内をほぼ2巡し、街頭演説や個人演説会で農林水産業や観光振興などを訴え、知名度アップが課題となっていた2区、3区でも幅広い層に浸透。地元の1区でも自転車を走らせるなどでアピールしてきた。目標とする票数は設定していないが、16年ぶりの新知事誕生に対する有権者の大きな期待に手応えを感じている。

 松坂陣営 告示後、県内を一巡したほか、和歌山市を中心に活動。コロナの感染防止のためミニ集会などは控え、街頭演説を中心に、経済対策、福祉増進、子育て・教育支援、ジェンダー平等など、掲げている4つのチェンジで支持拡大を訴えてきた。「他候補者より組織の大きさは小さいが、多くの県民の皆さまから想像以上の反応を頂いた」と手応え。「4つのチェンジの中でも暮らし問題への関心の高さが伺え、賃金の底上げや男女の賃金格差など経済対策の重要性をあらためて感じた」と話す。また過去の選挙と比べ「35年ぶりの党公認候補者ということもあり、これまで以上の支持に期待できる」と自信を見せている。

 本間陣営 紀北地方を中心に県内各所で街頭演説を展開。その様子を動画投稿サイトYouTubeにアップし、知名度の向上や自身の政治に対する考えなどをアピール。「和歌山にカジノはいらない」「子どもに対するワクチン接種反対」「環境破壊のメガソーラーはいらない」「農林水産業を守る」などを訴えてきた。手応えについては「有権者が演説中に手を振ってくれたり、握手を求められたりすることが多くなり、日増しに反応がよくなっている」という。