藍綬褒章を受章する伊東さん

 今年秋の褒章(3日付発令)の受章者が発表され、県関係は黄綬1人、藍綬4人の計5人が受章する。うち日高地方は御坊市の1人のみで、公共の利益に貢献した人をたたえる藍綬に更生保護功績として、保護司の伊東直彦さん(77)=野口=が選ばれた。委嘱から約20年にわたって犯罪を犯した人らの立ち直りを支援。日高保護司会の会長としてもサポートセンターの開設や協力雇用主の開拓・確保に力を尽くした。

 伊東さんは2003年3月に保護司の委嘱を受け、農業等をしながら、罪を犯した人の更生や再犯防止、犯罪・非行の予防へ献身的に活動。日高保護司会では理事、副会長を経て、2018年から今年春まで会長を務めた。

 これまで担当したのは3人。20年のうち計6年5カ月の間、少年や成人の対象者と向き合ってきた。身内の子どものような感覚で接し、まずは相手を信じるところから互いの信頼関係を構築。親身になって立ち直りを支える。再犯を起こさず頑張ってくれるのが一番の願いで喜び。過去に担当した人がまちで声をかけてくれた際、ひとこと、ふたことだけの会話だったとしても、その立派に更生した姿がうれしく、笑みがこぼれる。

 日高保護司会の会長時代は、2019年春にオープンした更生保護サポートセンター日高の開所に奔走。更生保護活動の充実を図るため機能を集約し、対象者との面談や会員の連絡調整、協議の場となる拠点づくりの推進ほか、犯罪や非行をした人を雇用し、立ち直りを助ける協力雇用主の登録事業主募集にも尽力した。

 受章に「このような栄に浴することになり、うれしく思っています。一人でいただくものではありません。これもひとえに保護司会や更生保護女性会の会員ら更生保護関係者、関係機関の多くの皆さまのご指導とご支援のたまもの」と感謝。「来年3月の定年まで残任期間は4カ月ですが日々精進していきます」と話している。