水平装置を実演する黒井士長㊧と森本消防士

 消防機器の開発や改良を発表する第62回全国消防長会東近畿支部消防研究会の審査結果が1日までに発表され、日高広域消防の黒井郁弥士長(32)・森本敦貴消防士(22)組が優秀賞を受賞し、全国大会に進むことが決まった。同消防から全国出場は2018年以来4年ぶり2回目。

 東近畿大会には機器開発の部に30組が出場。新型コロナ感染予防のため提出した書類で審査され、最優秀賞1点、優秀賞4点、奨励賞9点が選出された。

 開発したのは、可搬式ポンプ水平装置。林野火災等での中継送水に必要不可欠な可搬式ポンプは、水平を保たなければ燃料供給がうまくいかずエンジンが停止する恐れがあり、斜面でも簡単に水平を維持できる方法を考案。下に伸ばすことで水平を維持する「コの字」型の伸縮可能な水平装置を取り付けた。3段階に伸びて、最大30度の傾斜にも対応できるよう工夫した。重いポンプの持ち運びをより安全にしようと、持ち手を取り外し、代わりに3面にコの字型の持ち手を付けた。

 訓練で実際に山の斜面で使用し、効果も実証している。黒井士長と森本消防士は「私たちは代表して発表しただけで、勤務する南部出張所や本部の皆さんにもいろいろアドバイスをもらい、全員で作り上げたものが評価されてうれしい。現場活動に生かすことが最も重要なことなので、少しでも早い消火につなげたい」と話した。