印南町若者あふれる郷への架け橋推進協議会が進める高校や大学の合宿誘致事業で、昨年度1件だった利用予約が、今年度は7件と大きく増えている。以前からの助成金制度や新たな他市町との連携、コロナ対策が進み学生の活動範囲が広がったことなどが要因とみられ、近畿各地の大学等に合宿先としての人気が高まっている。

 合宿誘致事業は、高校・大学がない同町の弱みをカバーするため、合宿誘致を通して町民が若者と定期的に交流する機会を持ち、町を活性化させる目的で2016年にスタート。利用する団体には助成金制度があり、町内の宿泊施設を利用する団体や地域住民と交流を行う団体に対して1人当たり2000円、最大15万円を助成している。今年度は助成金に60万円の予算を準備しているが、7団体220人の利用予約があり、すでに44万円を助成している。

 また、今年度から紀南エリアの市町村が連携してスポーツ合宿誘致を推進する南紀エリアスポーツ合宿誘致推進協議会(田辺、白浜、上富田、すさみ、串本、みなべの6市町)に参加したことで、印南町の職員以外の専従スタッフによる営業活動も可能になった。旅行代理店などを通して合宿を申し込む団体が増え、町の認知度も少しずつ上がってきたという。

 町内には3つのゴルフ場と、野球場・人工芝のテニスコートを有する若もの広場、100畳ある広さの武道館、空調設備を完備した体育センターのスポーツ施設のほか、辻井旅館などの大人数で宿泊できる旅館もある。利用は大学のバスケットボール部や日本拳法部、柔道の強豪大学の予約も入っているほか、音楽部などの文化活動サークルやゼミの予約もみられる。

 協議会では今後、合宿に訪れた若者が町民と一緒に活動を展開できるような仕掛けづくりを進め、盆踊りの参加や子ども向け体験イベントの開催など、スポーツだけでなく文化活動での交流にも力を入れていきたいとしている。