日高川町発注の公共工事をめぐる汚職事件で、官製談合防止法違反などの罪に問われている同町総務課主幹で元建設課長の岡本康博被告(57)=三十木=と、公契約関係競売入札妨害の罪に問われている建設会社株式会社清水の元社長清水達成被告(60)=船津=の初公判が23日、和歌山地裁(福島恵子裁判長)であり、両被告はともに起訴内容を認めた。

 起訴状などによると、岡本被告は昨年9月に執行された町道猪谷線堂浦橋橋梁補修工事の指名競争入札で、非公表の最低制限価格(落札額の下限)に近い金額が推測できる情報を清水容疑者に漏らした疑い。清水容疑者は情報を基に、組合の業者に最低制限価格を約1万4000円上回る金額で落札させたとされる。

 検察側は冒頭陳述で談合が恒常的に行われていたとし、「岡本被告は入札日が近づくと、秘密事項の基準額、指名業者などを入力した一覧表を清水被告に渡した」などと指摘した。

 次回の公判は6月24日に行われる。