30日まで展開されている秋の全国交通安全運動。初日の21日、県警と一般社団法人県自動車整備振興会(北垣順一会長)が、横断歩道を渡る歩行者の保護に関する協定を結んだ。県が展開する「サイン+(プラス)サンクス運動」を推進するため、県内約940の自動車整備業者が加盟する振興会に県警が協力を要請。今後、加盟業者が事業所にポスターを貼ったり、社用車や代車にマグネットシートを取り付けたり、広報や啓発を行う。

 サイン+サンクスは歩行者が横断歩道を渡るとき、明確に横断する意思をドライバーに伝え、車が停止した際には感謝を伝えることを推進する運動。JAFの「信号機のない横断歩道における一時停止率調査」で昨年、和歌山県の停止率が18・4%と全国ワースト5位となり、県と県警が歩行者優先意識の浸透へ運動を発案、スタートさせた。

 県によると、歩行者は会釈などで「ありがとう」という感謝の気持ちを伝えるため、横断歩道を渡る前に運転者とアイコンタクトする習慣が身に付き、安全確認を図ることが可能。横断歩道の手前で一時停止する義務がある運転者は感謝の意を伝えられることで、止まってよかったという心地よさから、次も止まろうという意識の継続性につながり、また、子どもたちは横断歩道の手前で止まってくれたという経験を重ねることで、自身が運転者となった際に横断歩道における歩行者優先の意識が根付く効果に期待されている。

 「車を運転していて横断歩道にいるのが自分の子どもやおじいちゃん、おばあちゃんら身内だったら止まりませんか。いつもそう思って思いやりの運転を心がけてほしい」と北垣さん。運動の浸透で悲惨な事故が防げれば。(笑)