団子を頬張りお菓子を手に取る子どもたち

 中秋の名月の10日、日高川町の寒川地区では地域伝統の風習「お月見どろぼう」が行われ、子どもたちが家々を回ってお菓子をもらう光景がみられた。

 寒川では毎年十五夜の夜、各家がススキとハギの花、団子と一緒にお菓子をお供え。お月見どろぼうは、子どもたちがこのお菓子をもらって回る行事。

 日が暮れると、子どもたちは懐中電灯を手に地区内を歩き、玄関前や軒先に供えられたお菓子を見つけるとうれしそうにリュックサックや手提げ袋に詰め込み、団子を頬張っていた。

 ほかのグループの子に出会うと合流し、情報交換しながら歩き回り、雲が晴れ、山の間から満月が昇るころにはかばんはパンパン。

 保田ミチヱさん(90)は「子どもたちがお菓子を取りに来てくれるのが楽しみで、毎年、お菓子を用意しています」と話していた。