11月10日告示、27日投開票の知事選挙に向け、自民党県連は和歌山市出身で青森県総務部長を務めている総務省の新人小谷知也氏(43)を推薦する方針を決定したが、擁立を断念する動きが出ていることが分かった。

 県連の一部には前衆議院議員の岸本周平氏を推す根強い声があり、県町村会は8日の臨時理事会でそれに同調する形で岸本氏の推薦を決定。首長からは小谷氏の推薦に関して、自分たちの意見が反映されていないとの不満の声も聞かれた。

 関係者によると、翌朝には小谷氏を推していた県連の一部役員らも擁立が難しいと判断し、推薦の取り消しの調整に入った。小谷氏を推す別の役員からは12日朝の時点で、「県連での推薦願が党本部にまでいかず止まっている。擁立を断念するかどうかはまだ決まっていない」との声も聞かれた。今後、岸本氏を推薦予定の有力団体が複数あり、告示まで2カ月を切る中で、小谷氏の形勢は不利とみられ、このまま自身で正式な出馬表明を見送る可能性もあるという。

 知事選に向けては現職の仁坂吉伸知事が出馬しない意向を表明。共産党県委員会や県教職員組合などで構成する「ゆたかで住みよい和歌山県をつくる会」が候補者擁立を進めている。