参院選の投開票が終わった。今回の選挙で選ばれた政治家には国のため、選出された地元のため、どんな政治を行うのか期待したい。有権者としてできることは、自分の選挙区から選ばれた政治家を見守ること。時には厳しい目で見て、次の選挙で審判をすることだと思う。

 参院選の投票率はここ10回連続で60%を下回る。前回の3年前の選挙では戦後2番目に低い48・80%だった。昔に比べて情報網が発達し、さまざまな分野に関心を持ちやすい環境になったことで政治への関心も上がるはずだと思うが、なかなかそうではないようだ。

 昔から参院選は衆院選に比べ、テレビなどの報道を見ていても、盛り上がりに欠けるイメージがある。解散の制度があり全議席を一度に改選、選挙区ごとに政治家を選ぶ衆院選と違い、解散が無く議席を半数ごとに改選、選挙区も都道府県単位が多い参院選は政治家が身近に感じられにくいのかもしれない。

 特に合区になった選挙区の有権者は顕著に感じていることと思う。実際、徳島・高知選挙区の前回の参院選の投票率は徳島県では38・59%と過去最低で、そのときの候補者はほとんど高知を地盤とする政治家ばかりだった。投票率の低さは「地元の政治家以外には投票したくない」という意見の表れだろう。

 今回の選挙は、安倍元首相が演説中に銃撃され亡くなってしまうという衝撃的な出来事があった。民主主義のあり方をこんな形で考えさせられると思わなかった。偉大な政治家だって公平に、同じように選挙で選ばれるのだから。

 選挙に参加することの大切さを、今一度考えるべき時が来ている。(鞘)