今月8日の印南町議会議員選挙の投票率は予想通り前回を下回り、82・64%。定数12に対して4人オーバー、新人6人乱立の激戦だったにもかかわらず、この結果。全国的にも同じ傾向で、コロナや自然災害の対応へ、政治が果たす役割はますます重要になっているはずだが、一方で政治への不信感を増大させるような自滅的な不祥事も多く、若者の政治離れや無関心層の増加に拍車をかけている。そして有権者から常に聞こえてくるのは「そんなに議員の数が必要?」との声。日高地方の各市町でも定数を何度か削減してきた経緯があるが、最近になって御坊市議会やみなべ町でもまた議論になり、印南町でも新たな任期中に協議されそう。

 日高地方の7市町議会の定数をみてみると、御坊市14(人口2万2529人)、美浜町10(6811人)、日高町11(7903人)、由良町10(5481人)、印南町12(8043人)、みなべ町14(1万2205人)、日高川町12(9591人)。人口比率からすると、御坊市が最も少なく、由良町が一番多い。ちなみに、日高新報の新人記者によると、出身地の岬町は印南町や日高川町と同じ定数12で、人口は1万5128人。個人的には議員定数が減ると、人口が少ない山間部から当選する議員の数が減少し、そういった地域の声が行政に届きづらくなる場合もあるため、単に定数だけ減らせばよいという問題ではないと思うが、こういったデータや近年の住民感情からすれば、やはり議員定数削減の議論は必須だろう。

 そんな中、議員先生方には選挙で選ばれた住民の代表という自覚や責任感をさらに強め、活躍していただけることを期待している。(吉)