仁坂吉伸知事と県内首長らが意見交換する全県市町村長会議が18日、ウェブ形式で行われ、首長からは新型コロナウイルス対策の救世主とされるワクチン接種のスムーズな実施に向けて、国へのワクチン早期配分の働きかけや医師確保などの要望が出された。仁坂知事はワクチン供給について国に引き続き強く求めるとし、今後高齢者から一般への接種移行に向けて、県として徹底的にサポートしていくことを約束した。

 県庁や各市役所、町村役場、振興局にそれぞれパソコンやモニターを設置して開催。30市町村長が一人ずつコロナワクチンの接種状況や要望について話した。

 県町村会会長の小谷芳正みなべ町長は「当町では一日当たり360人がワクチン接種できる態勢を整えているが、ワクチンの配分量が少なく、時間がかかっている。ワクチンの早期配分をお願いしたい。また、ワクチンが何日の何時に届くのか、詳細な情報提供を」、奥田誠上富田町長も「高齢者のワクチン接種が7月末で終われるよう安定供給を」、尾花正啓和歌山市長も「高齢者だけでなく一般にもペースを落とさず接種できるようなワクチン配分をしていただきたい」と求めた。神出政巳海南市長は「診療所での個別接種で対応しているが、今後は集団接種もしていかなければならない。そのための医師や看護師確保の支援をお願いしたい。県主導の集団接種の実施もしてほしい」とした。

 三浦源吾御坊市長は「高齢者のあと、65歳未満のワクチン接種をどうするか。先行市町のノウハウを共有できる体制を県でつくっていただきたい」、久留米啓史日高川町長は「現在は集団接種で行っているが、医師会に協力いただき、個別接種も併用しなければならず、県の協力もお願いしたい」と述べた。

 仁坂知事は「各市町村の実態に合わせたワクチン接種の取り組みは素晴らしく、誇りに思っている。そんな中で国に対して『ワクチンを早く持って来い』というのは当然」とし、「高齢者が終わり、次のちょっと下の高齢者や基礎疾患がある人、そして一般への接種にどうつなげるか。まさに現行の高齢者の時に考えてもらったように、それぞれの実態に合わせた接種態勢を再考慮してほしい。県庁医務課が徹底的に相談に応じる」と約束。「近隣市町村と共同でやるのも手。また、ワクチン接種がどんどん次の段階へ進めるよう国に求めていく」とした。