日高町の松本秀司町長と教育委員会委員でつくる同町総合教育会議が21日に役場で開かれ、平成32年4月をめどに比井小学校を志賀小学校へ統合する方針を打ち出した。比井小の児童数が年々減少傾向にあり、32年4月から完全複式の状態になることから、このタイミングでの統合が妥当と判断。町では来年度に保護者や地域住民への説明会を開催していく。
 町によると、比井小のここ数年の児童数(平成28年5月1日現在のデータ)は、24年63人、25年54人、26年55人、27年49人、28年42人。今後の見通しでは29年40人、30年39人、31年38人、32年33人、33年27人、34年27人。各学年の人数が一定数を下回ると複式になるが、32年4月から全ての学年が複式学級になる。こういったことから、小学校統合についてはかねて議会などで取り上げられており、今回の方針決定を受けて町が本腰を入れて推進していく。
 現在、町内には比井、志賀、内原の3小学校があり、仮に3小学校の統合となると人数が膨れ上がり、現状で受け入れができる校舎がないため、3校の統合は難しいという。ただ、比井小を志賀小に統合する場合(32年で合計児童数196人)も、既設の志賀小校舎では4教室が不足する見通し。増築には億単位の費用が見込まれるが、町は不足分の教室を建設していく方針。比井地区などからの送迎バス運行も考えていく。
 教育委員会では、29年度中に統合の必要性などをまとめた基本方針を策定した上で、地元説明会を開催していく。比井小の児童は学童保育やクラブ活動ですでに志賀小へ通っている現状もあるため、統合にあまり抵抗がない保護者もいるが、今後地元からどういった声が出てくるのかも注目される。
 開校から140年余りの歴史を持つ比井小は、平成6年4月に旧阿尾小と統合。現校舎は昭和48年8月、屋内運動場は平成16年2月に完成した。統合後の施設利用については、いまのところ白紙で、今後検討していく。