みなべ町堺、西山浄土宗常福寺の畑﨑龍定名誉住職(88)は、ことしも来年の干支にちなんだ色紙絵200枚を描いた。還暦の檀家と初詣客に贈る。昭和45年の干支から続けており、ことしで48年目。来年はにこやかな笑顔と優しい言葉で楽しく過ごせるようにと、「和顔愛語(わげんあいご)」の言葉も添えた。
 同寺の名誉住職だけでなく、西山浄土宗別格本山壇林総持寺(そうじじ、和歌山市梶取)の第六十九世貫主も務める畑﨑さん。干支の色紙絵は、昭和45年に檀家信徒を対象に還暦式を行った際、対象者に色紙を贈ったのがきっかけで描き始めた。以後毎年描いており、初詣の参拝客らにも贈るようになった。来年の酉で十二支が4巡することになる。
 ことしも11月末ごろから制作にとりかかった。原画を印刷したあと、水彩絵の具で色付けして仕上げている。雄鶏が1羽の絵、夫婦2羽が寄り添う絵の2種類を100枚ずつ仕上げた。絵には「和顔愛語」の言葉を添え、来年は穏やかな年になるようにという願いが込められている。畑﨑さんは「世界的にも混沌(こんとん)とした情勢だが、明るい世の中にするためには人間同士が気持ちを通わすことが大切」と、色紙絵に込めた思いを話している。