ホームセンターのコメリが主催するコメリドットコム第19回ガーデニングコンテストの入賞作品が決まり、応募総数1126作品の中から「自慢のお庭部門」で印南町上洞、太田忠志さん(65)の「心が落ち着く癒しの苔庭」が、最優秀のグランプリに次ぐ審査委員長賞「大場秀章賞」に選ばれた。15年前から大切に育ててきたコケと石との組み合わせに工夫を凝らした自慢の庭。苔庭の趣があふれ、全体としての調和が高い評価を受けた。
 昔から庭づくりが趣味という太田さん。15年前、龍神の山や谷へ手のひらサイズのコケを採りに行き、自宅前に整えた土の山へ張り合わせた。深いところで15~20㌢に育ち、いまではじゅうたんのように大きく広がったコケ。庭は日照時間が長いため、毎日の散水を欠かさず、雑草は見つけしだいすぐに取り除く。夏場は日差しをさえぎる寒冷紗(かんれいしゃ)とすだれで日光から保護。昨年にはウサギやタヌキに剥がされたりしないよう柵を取り付けた。
 ことし、知人からコンテストのことを聞いて初めて応募。東京大学名誉教授で審査委員長を務める大場秀章さんの特別賞を受け、「見事にマット状になったコケの群生する一角に苔庭の趣があふれ出ています。庭全体が無理なく調和していて印象に残る」と評価されたという。太田さんは「名誉ある賞をいただき、評価されてうれしいです。通りがかりの人たちが見てくれて声をかけてくれるので、これからも大切にしていきたい」と笑顔を見せている。