みなべ町北道区で1日、1年の半分の無事を祈願する神事「大払い」が行われた。同区で昔から行われている伝統行事。道路が交差する辻(交差点)の約100カ所で、地元の青年団(濱上伸隆団長)が獅子舞で厄を払った。区内には笛太鼓の音色が響き、住民らは夏の風物詩を眺めて楽しんでいた。
 年明けから半年の間についたけがれを払い清め、12月31日まで半年間の安全を祈願する神事。町内では北道区だけで行われている。
 前日の31日には鹿島神社で神事が行われ、当日は午前9時ごろから大払いがスタート。青年団のメンバーが屋台を引きながら道路を歩いて回り、交差点で立ち止まり獅子舞で祈願。各所では1分間程度、祭りで披露される笛や太鼓が演奏され、獅子が力強く舞って住民の安全や無事を祈った。午後4時ごろまで続き、区内で祭り囃子が響いた。通りかかった住民らは音色を聞き、獅子舞を楽しみながら「秋祭りを思い出しますね」と話していた。
 濱上団長(36)は「青年団の人数も少なくなったが、昔から伝わる伝統行事を今後も継承していきたい」と話していた。