㈱マイナビは2017年卒業予定の学生を対象にした大学生Uターン・地元就職に関する調査結果を発表した。地元の大学に進学した学生の75・7%が地元就職を希望となり、地元以外の大学に進学した学生の37・8%に比べて約2倍であることが分かった。地元外大学生の地元への就職の障害となっている理由としては、就職活動中の地元までの交通費や時間などのほか、地元企業の数が少ないという点などが挙げられていた。
 これにより大学進学時に地元の学校を選ぶか、県外を選ぶかが卒業後に地元に戻るかどうかの分かれ道になっていることが分かる。残念なことに和歌山では平成26年度の県内の高校から県外の大学へ進学した学生の割合が86・3%で全国一とのこと。また大学卒業後県内に戻ってくる若者の割合はわずか3割程度で、このことが人口減少や地域の活力低下にも影響しているという。
 文科省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定された日高高校では、生徒たちに世界で活躍している「地元企業の学習」を取り入れる。同校の卒業生も他府県へ進学した後、地元へ戻ってくる生徒が少ない。同校の上田優人校長によると、以前生徒と企業の交流を行った際、海外に拠点を置いていたり、世界を相手に取り引きしている地元企業の存在に、生徒たちが驚いていたという。
 地元にも世界規模で活躍し将来性のある企業はたくさんある。そのことを学生が認識し、地元でも自身の能力を発揮できる場所があることを知ることで、卒業後に地元へ戻ってくる学生の増加につながるかもしれない。同校の取り組みに期待するとともに、本紙でも地元企業の活躍を取り上げていきたい。(城)