御坊市の国保日高総合病院(曽和正憲院長)は、血液など臨床検査データの信頼性が高いと認められ、日本臨床衛生検査技師会(日臨会)から中紀地方で初めて精度保障施設に認定された。検査データは使う機器等によって差異が出る場合があり、同病院では臨床検査科17人のスタッフが毎日の機器メンテナンスを徹底し、日臨会が定める基準を見事クリアした。曽和院長は「正確な検査結果は患者の的確な治療につながる」と喜んでいる。
 臨床検査データは、患者の血液や尿、心電図、超音波などを解析し、検査結果をいかに的確に出せるかの信頼性が求められている。ただ、全国での臨床検査精度調査では必ずしもすべての項目で信頼性が満足な状態にあるとはいえないことが示された。そこで日臨会ではいつ、どこの病院で検査が行われても信頼性の高い検査結果が得られるよう、臨床検査データの標準化を進めようと平成22年から精度保証施設認定制度をスタート。現在は47都道府県で659施設が認証されており、県内では和医大、紀南病院、和歌山ろうさい病院に続き、中紀地方では初めて認められた。
 各検査結果と検体を日臨会に提出。日臨会であらためて検査した結果との差異を比べ、日高病院が提出した最近2年間のデータはほとんどの項目で差異のない最高のAランク(A~Dまで4段階)を取得し、今回認証された。
 検査結果に差異が生じる要因は、病院によって使う機器や試薬が違うため。とくに機器はメンテナンスを怠ると精度が低下する原因となるため、日高病院では臨床検査科の畑忠良技師長が中心となって毎日のメンテナンスと検査前のチェックで常に精度を維持できるよう取り組んだことが結果につながった。畑技師長は「スタッフ一同、日ごろから学会や研修会に参加して知識と技術を高めてきた成果を発揮できた。これからも高水準の検査データを提供するよう努力を重ねていきたい」、曽和院長も「患者さんに対する的確な治療のためには正確な検査データが必要不可欠。今後もクオリティの高いデータを基に効果的な治療を行っていく」と力を込めている。