「きょうから運転するの気をつけなな」――「いやいや常に注意してよ」。6日朝、そんな話を家族として家を出た。その日は春の全国交通安全運動の初日。出勤途中、日高川町小熊の町道で行われていた街頭啓発を取材した。町の交通指導員と職員、御坊署員が通勤の車を止めて、チラシを配布。「おはようございます。気をつけて、いってらっしゃい」と爽やかに声をかけていた。
 今回の運動は「子供と高齢者の交通事故防止」「自転車の安全利用の推進」「後部座席を含めた全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底」「飲酒運転の根絶」――の4つが重点。初日は街頭啓発のほか、交通安全大会が開かれた。県や各市町の職員、御坊署員と住民らが参加。主催者で交通事故をなくする県民運動日高地方推進協議会会長の小谷芳正みなべ町長、御坊署の太田清太郎署長、日高振興局の田中達也局長が事故防止へ協力を求め、腹話術師の千田やすしさんが交通安全講話。笑いのなかで安全意識を高めた。
 平成27年中に御坊署管内で発生した交通事故は人身が205件で傷者は262人。死者は3人だった。一方で昨年1年間の飲酒運転による事故件数は県内30件。うち死亡事故は4件起きている。警察では取り締まりを強化するとともに車、酒の提供や同乗者について捜査を徹底。飲食店へのハンドルキーパー運動推進のほか、地域や職域で連携して広報啓発活動に力を入れている。よく言われる「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」。飲んでからだと乗るなの意味がわからないかもしれない。運動は15日までだが1年中を通し、ルールの順守とマナーの向上を心がけ、声にして交通安全を広めよう。(笑)