文部科学省は4日、公立の小中高校での英語教育の状況について調査した結果を発表した。初めて都道府県別のデータを公表しており、和歌山県の中学3年生で英検3級以上を取得しているか3級以上相当の英語力を持っているとされる生徒は39・9%で平均を上回っているが、高校3年生で英検準2級以上を取得しているか相当の英語力を持っている生徒は22・5%と低い結果となった。
 筆者も英語は中高大学と勉強してきたが、まったくしゃべれない。少し前ラジオを聞いていると英会話教材のCMが流れた。それによると、サラリーマン風の男性が「毎日、半信半疑で教材のCDを聞いていましたが、しばらくたったある日、気がつくと会社の外国人と英語で会話していたんですよ」というもの。思わずつっこみたくなる内容だが、一概にそうでないかもしれない。先日、日高高校で開かれた文部科学省の山中伸一顧問と生徒との討論会で、山中顧問は英語教育の重要性を指摘。さらに英語に必要なのは聞くことだと主張し、「英語は聞いていれば話せるようになる。もっと聞ける環境が必要」と訴えていた。確かに筆者が大学時代、洋楽の歌詞を書き出す課題があったが、繰り返し聞くうちに理解できるようになり、いま思えば最も効果的な授業だったと感じる。
 海外へ行ったり外国人と接した人なら分かると思うが、伝えたいことは話すことができなくてもジェスチャーなり表情なりで表現できるが、相手の話す内容が理解できなければ、返事をすることもできず会話が成り立たない。英語はコミュニケーションが成り立つことで学習への意欲がわく。そのためにもまず聞く力を養うことが必要なのだろう (城)