県が小竹八幡神社前の空き地となっていた民有地を買い上げて整備してきた公衆トイレと駐車場が完成し、4月から供用を開始する。トイレは切妻屋根の和風建築で、周辺の景観に溶け込む情緒あふれる仕上がり。御坊市は寺内町を核とした地域活性化に取り組んでおり、これまでなかったトイレと駐車場の完成で年々増加している観光客の利便性が向上し、さらなる交流人口の増加が期待されている。
 国の「まちなみの駅」事業を活用した県内第1号の公衆トイレ。場所は小竹八幡神社前で、国道42号から約150㍍東側のアクセス条件が抜群の場所。面積は344平方㍍で、敷地の南側に68平方㍍の公衆トイレを新設した。見た目は木造平屋の切妻屋根に、落ち着いたこげ茶色を配色した町屋風で、寺内町の景観とマッチするよう配慮した。男性用と女性用のほか多目的トイレもあり、車いす利用者のほか、赤ちゃんのおむつ交換などもできる。公衆トイレ前には駐車場を整備。普通乗用車4台と身体障害者用1台、軽乗用車用2台の計7台のスペースを設けており、乗用車等の駐車がなければ大型観光バス1台を止めることも可能な広さを確保している。
 寺内町にはこれまで駐車場や公衆トイレが少なく、以前から要望の声があり、寺内町観光の一層の振興につながると期待されている。現場での工事はすでに完了しており、備品の設置や検査を残すのみ。御坊市と維持管理協定を結び、4月からは市が管理して供用をスタートさせる。総事業費は約6000万円。設計は㈱バウ建築企画設計事務所(和歌山市)、施工は㈱駒場工務店(日高川町)、機械設備は岡崎設備(日高川町)。