国土交通省観光庁によると、昨年1年間で日本を訪れた外国人旅行者は1973万7000人(推計)で前年比47・1%増加し、3年連続で過去最高を更新。国際旅行収支も1兆円を上回る過去最高の黒字を記録した。
 ちなみに国別では、1位が中国の499万人、2位が韓国の400万人、3位が台湾の368万人。外国人観光客が日本滞在中に使った消費総額は3兆4771億円で、前年比71・5%の大幅増。いわゆる〝爆買い〟が一層加速している表れ。半導体などの電子部品(3・6兆円)、自動車部品(3・4兆円)の年間輸出額に匹敵する額で、インバウンド観光が日本経済を下支えする位置付けになっており、いまや観光はもうかる産業の一つに成長してきたと言える。
 インバウンド観光で人気の滞在先は、大阪、京都、名古屋、富士・箱根、東京の「ゴールデンルート」となっているが、地方の観光地も注目され、徐々に波及効果が出てきているという。そんなインバウンド観光に着目して、昨年、摂南大学の学生が由良町をモデルに外国人観光客の誘致を提言。最大の利点は関西国際空港から車で約1時間の近場にあること。この立地条件は、何も由良町に限った話ではなく、日高地方の市町ならだいたい同じ。今後、御坊・日高で観光を推進する中では、訪日外国人観光客の取り込みも重要なポイントになってくるだろう。
 そんな中、日高町商工会と旅館民宿組合が、増加傾向のベトナム観光客の誘致にいち早く取り組む。言語の問題や外国人ウケする料理の提供、観光ルートの設定など、受け入れ態勢の整備が必要だが、地方版インバウンド観光のモデルケースとして期待している。(吉)