県は、今後20年間の具体的な河川整備計画を定めた「日高川水系河川整備計画」を策定した。かねて各地域の関係者やパブリックコメントなどで進めていた計画で、本流の拡幅や河道掘削、下川の放水路、西川の拡幅、堤防整備などを盛り込んでいる。
 昨年、関連する地域の住民や農漁業関係者、歴史・文化関係者らでつくる「日高川(中上流・下流域)を考える会」を開いたほか、有識者審議、パブリックコメントなどを経て、策定した。紀伊半島大水害をもたらした平成23年9月の台風12号洪水と同規模の洪水対策には長い期間が必要となるため、まずはそれよりも小さな規模の洪水を想定。日高川本流は平成15年8月の台風10号豪雨、西川、下川、斉川・堂閉川は平成18年の豪雨、江川は27年7月の台風11号豪雨と同規模の洪水を想定し、家屋浸水被害の減少を目指す。
 具体的な整備内容は、主に日高川本流と西川、斉川、江川では河道掘削、堤防、護岸整備などで流下能力を向上させる。下川は小松原の天理教湯川分教会前交差点付近から日高川本流に続く放水路を18㍍道路の地下に整備。堂閉川では道成寺付近からバイパスとなる河川を整備し、流れを二手に分けることで流下能力を向上させる。
 本流や江川などでは既に取りかかっているもの、近く取りかかる予定のものもあり、その他の計画も随時進めていく。