10日の公立高校入試を前に、御坊市島のステップアップ塾(喜多徹さん経営)で7日、合格祈願の縁起物として新しく誕生した天神人形が受験生にプレゼントされた。
 天神人形は学問の神様である菅原道真で、日高地方では明治中期から昭和10年代をピークに節句のお祝いに贈る風習があった。最後の人形師が亡くなってから途絶えていたが、祭具師の杉本卓治さん(48)=御坊市薗=が昨年、オリジナルの天神人形として復活させた。節句の贈り物としてだけでなく、学問の神様にあやかって合格祈願の縁起物としても親しんでもらおうとの思いを込めて作っており、喜多さんが受験生17人分を購入。7日夜には杉本さんも立ち合い、受験生に手渡した。
 受け取った堀本妃夏さん(大成中3年)と関華琳さん(日高中3年)は「学問の神様の力も借りて合格できるように頑張りたい」と笑顔で声をそろえた。喜多さんは「高校受験に限らず、今後大学生、社会人になってもずっと勉強することの大切さを感じてほしい。菅原道真のこともこの機会に勉強してもらいたい」と受験生を激励。杉本さんは「合格してほしいとの気持ちを込めて作っています。合格祈願の贈り物として天神人形の新しい歴史の第一歩になった」と喜んでいる。