日本舞踊の花柳流の師範、花柳勲麿(いさまろ)氏と門下の師範らが集う4年に一度の公演「いさまろ会」が6日、大阪の国立文楽劇場で開かれ、日高地方から美浜町浜ノ瀬の花柳枝芽(しが)こと、籔内美和子さんら3人が出演。籔内さんは自身の弟子の山本梓月(しづき)さん(11)=上南部小5年=ら4人の子どもたちとともに、坪内逍遥作詞の常磐津『お夏狂乱』を演じた。
 日高地方からの出演は籔内さんのほか、美浜町和田の花柳妃鶴(ひづる)こと、平田千鶴さん、日高町小中の花柳汐香音(しおかね)こと、岡本洋子さん。3人は日高地方の花柳流門下生でつくる宝扇会の仲間。8年ぶりの出演となった籔内さんは山本梓月さん、平田さんの弟子の澤越歩恋(ふう)さん(9)=和田小3年=、澤越結愛(ゆら)さん(6)=ひまわりこども園=、自身の弟子の孫の赤田莉穂さん(6)=田辺市の昭和幼稚園=とともに、恋人清十郎の死に気がふれ、里の子どもたちにからかわれながら、かかしの菅笠と衣装に清十郎を重ねて亡き恋人の幻を見る...という哀愁に満ちた役柄を演じた。
 籔内さんは終演後、「子どもたちとは去年の11月から毎週1回、一緒に練習し、みんなこの日のために頑張った成果をしっかり出してくれました」と笑顔。平田さんは面をかぶって江戸っ子の船頭をコミカルに舞う常磐津『佃船頭』、岡本さんは江戸城の奥座敷で姫が殿の前で末長い繁栄を祈って踊る常磐津『東都獅子』を踊った。