御坊市議会日高港振興対策特別委員会(山本清司委員長)は22日、港湾活用先進地の新宮港を視察した。土砂の仮置き場、斎場、運送会社などさまざまな業種が進出しており、とくにことし1月に操業をスタートしたブリの加工販売業者は産官学が一体となって誘致したことを研修。日高港の利用促進への参考となり、委員は「民間と一体となって活用策を提案していきたい」と意欲を見せた。
 委員6人と執行部、事務局が参加。新宮市企業立地推進課の職員から新宮港への企業進出促進へ用地を10年間無償貸与して初期投資の負担軽減を図っていることや、企業誘致等促進条例を制定して積極的に取り組んでいることを聞いた上で、成功例の一つとして近畿大学、新宮港埠頭㈱、新宮市の産官学が一体となり、食品の加工販売業「食縁」を誘致した経過を研修。近大が育てたブリの種苗を養殖業者が育て、食縁が加工して現在は松源やイトーヨーカドーなどで販売していることや、海外への輸出にウエートを置いていく事業展開の説明を受け、「新宮港に税関があるので直で海外への輸出が可能。港湾を整備したときに、用途の中に水産加工業を盛り込んでくれていたのも大きかった」との話を熱心に聴き、実際に港と食縁を見学した。視察を終えた委員は「新宮港は多種多様な業種が進出している。日高港も多職種が進出しやすい環境をつくるため、用途の規制を緩和してもらうことが必要」などの声が聞かれた。山本委員長は「行政が力を入れて取り組んでいることが印象的で、日高港の活性化を探る上で非常に参考になった。民間と一緒にどのような友好活用ができるか案を練って、こちらから積極的に提案していきたい」と話していた。