性同一性障害や同性愛等への正しい知識を深めてもらおうと、日高地方を中心に子どもへの虐待防止プログラム「CAP」の講習などを展開しているハッピー・ママ・ライフ(HML)は18日、湯川小学校でPTA母親委員会を対象にLGBT(性的マイノリティ)ワークショップを開催。日本では13人に1人がLGBTといわれており、「人に言えず悩んでいる人が身近にいることを知って」と呼びかけた。
アメリカでは昨年、全州で同性結婚が合法化されており、日本でも東京の渋谷区や世田谷区、兵庫県宝塚市(ことし6月から)で同性パートナーシップ条例ができてきた中、LGBTをもっと浸透させようと日高地方で初めて開催された。HMLの中道幸代さんがLGBTの絵本を披露したあと、喜多恭子さんが講師を務め、参加した母親に質問しながらLGBTの子どもたちが安心して生活できるために何ができるかを一緒に考えた。
 LGBTはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(心と体の性が一致していない人)の頭文字で、喜多さんは「100人いれば100通りの性のあり方がある」と強調。これまでの教育は「性は男女二通り。恋愛は異性に向くもの。それが普通、当たり前とされてきた」とし、「この普通という枠が子どもたちを苦しめている」と学校でいじめやからかいといった暴力に遭い、孤立しているケースが多い現状を説明。自分を肯定できない、本当の自分について言い出せない、学校の居心地が悪いなど生きづらさを感じさせない環境づくりが大切だとし、「子どもからカミングアウトされたら、最後まで話を聞き、話し終わったら『話してくれてありがとう』と受け止め、絶対に否定しないでください。安心して話を聞いてくれる人や場所があることが自己肯定感につながる。子どもにとって特別大切な3つの権利である安心、自信、自由に生きていける社会にしていくため、まずは正しい知識を持つことから始めてほしい」とアドバイスした。