世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」について政府は14日、熊野と高野の参詣道に類する22地点を追加するよう、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産センターに提案することを決めた。
 新たに提案するのは、平成16年7月の世界遺産登録までに調査が間に合わなかった王子跡や峠が中心で、熊野参詣道の中辺路は北郡越(ほくそぎごえ=田辺市)、かけぬけ道(那智勝浦町)など、大辺路は富田坂(白浜町)、闘鶏神社(田辺市)などがある。
 政府は2月1日までに提案書を世界遺産センターに提出。ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関(イコモス=国際記念物遺跡会議)による評価・審査を経て、7月のユネスコ世界遺産委員会で審議される。世界遺産の軽微な追加は、国内では島根県の「石見銀山遺跡とその文化的景観」に次いで2例目。今回の提案が認められれば、和歌山県内の世界遺産保有市町は橋本、上富田、串本の3市町が増えて11市町となる。