先日、「春の高校バレー」として親しまれている第68回全日本バレーボール高校選手権大会の県代表決定戦(決勝)が和歌山ビッグホエールであり、取材した。対戦は男子が開智―和歌山工、女子が信愛―箕島。日高地方から開智に2人、信愛女子に3人、箕島に5人の合わせて10人がメンバー入りし、彼、彼女らの姿をカメラのレンズで追った。
 結果は既報の通り男子は開智、女子は信愛が勝利し、ともに全国大会(来年1月5日から東京体育館)の出場権を獲得。両チームの活躍に期待したい。一方、残念ながら敗れた箕島も、拾ってつなぐバレーで粘り強い戦いを見せてくれた。横断幕に記された「凛烈の意気」。意味は「厳しい状況のなかにあっても目標に向かって臆することなく積極的に意欲的に取り組む心意気」だそう。初めて進出を果たした決勝で、まさにプレーに表れていたと思う。
 そのうちの一人、野上結衣選手(3年、日高中卒)は第2、3セットにピンチサーバーで出場。サーブを打つ前、チームメートやスタンドの応援に、満面の笑みで応える姿が印象的だった。ベンチでも笑顔と大きな声でチームを鼓舞。試合後インタビューで「みんな笑顔でやり切れた。悔しいけど、楽しくいい試合ができました」と爽やかだった。
 聞くと、ほかの同級生が早くから試合に出るなか、彼女は3年生になって背番号をもらえたそう。辛い時期を乗り越えての出場、最後の試合に「3年間で一番いいプレーができました。最高の仲間と一緒にバレーができてよかった」。その笑顔とユニホームの「3番」がまぶしかった。彼女を含め、感動をくれた選手、健闘にあらためて拍手を送りたい。(笑)