由良町戸津井鍾乳洞は、ことし1月からの延べ入場者数が28日、1万人を突破した。ここ数年、インターネットでの全国発信などで話題となり、入場者数が増加傾向だったが、1年間で1万人を超えるのは、平成9年以来18年ぶりで、同鍾乳洞のブーム再来と言えそう。ラッキーな1万人目となった三重県の夫婦には、町観光協会(丸宮信幸会長)から記念品として天然クエ食事付きペア宿泊券が贈られた。
 戸津井鍾乳洞は、平成元年にオープン。入場者数は平成2年に過去最高の1万3456人を記録し、3年と4年も1万人を超えた。5年から8年は8000人から9000人となり、9年に再び1万人超え。以後減少傾向が続き、22年には5425人で過去最低まで落ち込んでいた。しかし、町や観光協会のホームページでの紹介のほか、日本最大級の宿・ホテル予約サイト「じゃらんnet」や「MAPPLE観光ガイド」「るるぶ・com」などネットの有名サイトにも掲載してもらった効果が出て、23年からは一転して増加傾向。2億5000万年前の神秘的な鍾乳石が間近で見物できることや大人200円という他の鍾乳洞と比べて格安の入場料も拍車をかけて、25年は8022人、26年は8603人にまで回復していた。ことしは、1月から全体的に増えているが、特に8月は前年比7割増しの3500人が入場。盆は一日500人が訪れ大人気だった。
 今回、1万人目となったのは、三重県亀山市の片岡隆司さん(61)と妻みち代さん(53)。丸宮会長が記念品の目録を手渡し、町のゆるキャラ「ゆらの助」らも歓迎した。片岡夫婦は「昨日から由良町に宿泊し、白崎と道成寺にいってきました。白崎の景色は素晴らしく、本当に一見の価値があります。戸津井鍾乳洞は、スマホの観光地ランキングで調べて初めて来ました。まさか1万人目の記念品をいただけるなんて思ってもいませんでしたので、大興奮しています」と喜びを爆発させていた。鍾乳洞の見学は、特別サービスとしてゆら語り部クラブの大野治代表が案内した。観光協会では1万人突破の記念で、土・日曜日となるこの日と29日、12月5、6日、来場者に特産のミカンをプレゼントすることにしている。丸宮会長は「これを機会に家族、友人らと2度、3度と由良町を訪れてもらえれば。町の観光資源をフル活用して地域活性化を目指したい」と話していた。
 鍾乳洞の洞内は延長約100㍍で長くはないが、ろうそくが溶けたような「白蝋の滝」や長さ数㌢の鍾乳石が天井から伸びる「針天井の間」など見どころがいっぱい。入場料は大人200円、中学生以下100円。20人以上の団体の場合は、大人160円、子ども80円。年間通じて土・日曜、祝日にオープン。子どもたちの春、夏、冬休み期間中は毎日開けている。