日高地方を中心に活動している子育て応援ユニット「ハッピー・ママ・ライフ(HML)」が御坊市のボナペティヤナギヤとタイアップして取り組んでいる「寄付パン」が、11月から新たに県内の3店で販売されることが決まった。売り上げの一部が子どもの虐待防止プログラム(CAP)の活動資金に充てられるシステムで、「パンで子どもに笑顔を届けよう」の輪は着実に広がっている。
 新たに寄付パンを提供するのは和歌山市のパンプラスクルトンとHARIMAYA、紀の川市のパン・ド・パニエ。HMLメンバーを通じて寄付パンの取り組みを知り、協力してくれることになった。11月の児童虐待防止推進月間に合わせて30日までの1カ月間、ヤナギヤの御坊店と田辺店を含めて県内5店舗で販売される。種類はパンプラスクルトンが「おとふちゃん4個入り」(200円)、HARIMAYAは「塩パン」(120円)、パン・ド・パニエは「メロンパン」(140円)、ヤナギヤは2店とも「エンサイマダ」(130円)。
 寄付パンはHMLのメンバー発案で、ヤナギヤの全面協力を得て2012年6月からスタート。昨年は日高高校の「ジュニア・レッド・クロス」(JRC)のメンバーとコラボしたパンが好評だったこともあり、3年間での寄付総額は10万円を突破して10万7916円となった。これらの資金でCAPをPRするポスターを製作したほか、美浜町内の学童保育で子どもや大人対象のCAPワークショップを4回開催している。寄付以外でも、御坊市教育委員会から委託を受けて、市内5小学校の3年生を対象に毎年CAPワークショップを開催するなど、積極的に活動している。
 HML事務局の竿本有紀さんは「日本では4・05日に1人の割合で子どもが虐待で命を失っています。身近なパンを購入することで子どもへの虐待について考えるきっかけになってほしいと取り組んでいます。応援していただける店舗、CAPを受講してくれる子どもや大人をもっと増やし、虐待がなくなるよう活動していきたい」と話している。