プロ野球はクライマックスシリーズが終わり、残すは日本シリーズのみとなった。日本シリーズ進出を逃したチームでは、次期監督の話題がスポーツ紙などをにぎわしている。
 セ・リーグでは巨人の原辰徳監督(57)、阪神の和田豊監督(53)、DeNAの中畑清監督(61)、パ・リーグでは楽天の大久保博元監督(48)が今期限りでユニホームを脱ぐ。原監督は優勝候補大本命といわれる中、ヤクルトに1・5ゲーム差の2位となり、クライマックスシリーズでヤクルトに敗退。和田監督は8月下旬から優勝争いに加わるなど見せ場もあったが、9月の失速で3位に終わった。中畑監督は前半戦、首位に立つなどセ・リーグを盛り上げたが最下位に沈み、大久保監督は首位と33・5ゲーム差と惨憺(さんたん)たる結果だった。
 巨人はリーグ2位なら悪くない成績。阪神も健闘したといえなくない。DeNAは観客動員が伸びたように、面白い野球をやっていたように思う。楽天については評価のしようがないが、就任1年目だったことを考えれば、もう1年やってみてもいいのではないかという気もする。
 プロ野球チームは毎日が勝負の戦う集団。チームが結果を残せなかったときには誰かが責任を取らなければ来季に向けて新たなスタートを切りにくくなる。指揮をとったものが辞任という形で引責するのが一番スムーズで分かりやすいのだろう。
 世間には不祥事や問題を起こしても、結果を残せなくてもその席に居座り続ける〝指揮官〟はいくらでもいる。そんな組織は心機一転できないまま、いつか消えてなくなっていくのだろう。少し厳しいプロ野球の監督交代劇だが、円滑な組織運営には必要なことなのかもしれない。 (賀)