由良町里、中紀バス㈱(高垣太郎社長)は、公益社団法人日本バス協会貸切バス事業者安全性評価認定委員会から最高ランクの「安全性評価認定☆☆☆(3つ星)」を受けた。全車両へのドライブレコーダー装着や全乗務員への安全運転研修などで、バス運行の高い安全性が評価されて2つ星からの格上げ。県内での3つ星は、大十バス(海南市)とそろって第1号となった。
 安全性評価認定は、利用者や旅行会社がより安全性の高い貸切バス事業者を選ぶ際の指標となる制度で、国土交通省が推薦、日本バス協会が実施している。中紀バスは制度が始まった平成23年に1つ星の認定を受け、25年9月には2つ星に格上げされていた。認定の有効期間は2年間で、3つ星の認定を受けるためには、これまでの安全性を維持するだけでは難しく、さらに前に進んだ取り組みが必要。
 中紀バスは、速度や急ブレーキなど運転状況が確認できる「デジタルタコグラフ・ドライブレコーダー」と3つのカメラで運転状況を記録できるシステムを全車両(40台)に導入。このシステムの記録を確認することで、安全運転技術の向上にも役立てている。また、最新型のデジタル式アルコールチェッカーも導入して、写真付き個別管理で、測定の不正、記録の改ざんなどを防止している。さらに全乗務員を対象に自動車事故対策機構(NASVA)監修のもと、年2回(1回は3セット)の研修を実施。救命救急講習とNPO法人寺子屋監修の大規模地震・津波を想定した訓練も行っている。
 今回、最高ランクの安全性のお墨付きを得た高垣社長は、「システム導入などでコストはかかりますが、乗客の命を守ることが最優先。中紀バスは創業82年になりますが、『安全を守る』ということを先代の故高垣宏会長が言い続けていました。私たちも引き継いでいきます。安全、安心の中紀バスご利用を」と話していた。中紀バスには認定証とバスに貼るステッカーが送られてきており、来年1月には3つ星記念の新車も導入する。