前日の本欄でも触れていたが、開催中のラグビーワールドカップイングランド大会で日本代表が南アフリカに34―32で勝利するという大金星を上げた。その快挙に世界の各紙は「W杯史上、比類のない試合。世界に波紋を広げた」などと賞賛し、小説「ハリー・ポッター」の作者J・K・ローリングさんも「こんな話は書けない」とツイッターに書き込んだという
 その大勝利の裏にはハードな練習をこなしてきた計り知れない選手らの努力があったからだろう。2戦目のスコットランド戦は10―45で大敗したが、決勝トーナメント進出の可能性がなくなった訳ではない。目標の「ベスト8」が達成できるよう頑張ってもらいたい
 この1戦でラグビーに興味を持った日本人も多いのではなかろうか。ラグビーのワールドカップは4年に1度開催され、次回は2019年に日本で開かれるというから盛り上がりも大きい。2020年の東京オリンピックと並んでスポーツのビッグイベントが国内で行われることになる
 ところがオリンピックのメーン会場となる新国立競技場の建設が気がかりだ。当初の試算1300億円から二転三転したあげく、2520億円に膨れ上がった。国民から批判が上がり、安倍首相が白紙撤回の号令を出すことになったが、完成時期の遅れが余儀なくされる。4年後のラクビーワールドカップを新しい国立競技場で開催するのは絶望的という
 第三者委員会が組織の構造的な問題などを指摘し、下村博文文部科学大臣は一連の騒動を受けて辞意を表明した。東京五輪に関しては、エンブレムでも問題を露呈してしまった形で、大臣が辞めたからといって、「これまでのことはすべて終わり」とノーサイドでは済まされないだろう。  (雄)