御坊市島の剣道クラブ、弘武館(山﨑武男館長)は、今夏東京・日本武道館で開催された第50回記念全国道場少年剣道大会に際し、長年にわたり少年剣道普及発展に多大な貢献をしてきたとして同大会主催者の一般財団法人全日本剣道道場連盟から感謝状を受けた。
 感謝状贈呈式は、同大会開会式の席上行われた。50回記念大会を機に「少年剣道普及貢献道場」として感謝状を受けたのは47都道府県それぞれ1団体ずつ。
 弘武館は、昭和31年3月に山﨑館長の父忠男さんが創立した藤薗少年剣道クラブが前身。市内名屋町にあった忠男さんの自宅の庭で、山﨑館長を含めて5人の道場生で活動を開始した。39年4月、全日本剣道道場連盟発足と同時に加盟。同連盟主催の全国道場少年剣道大会には第1回から出場している。50年3月、現在の場所に道場が完成し、道場名も弘武館に改称。平成3年4月、2代目館長に武男さんが就任した。来年3月に創立60周年を迎え、現在活動している日高地方の道場では最も古い歴史を持つ。
 全国道場少年剣道大会では1位2回、2位と3位が各1回の成績を残しており、平成26年にストップしたものの第1回から48大会連続出場も果たした。27年8月現在の道場生は5歳児から中学3年生までの24人。過去には約80人の道場生が稽古に打ち込んでいた年もあり、1000人近くのOB、OGがいる。国体、インターハイ、国内トップの全日本剣道選手権などの出場者も輩出。剣道の普及、競技力向上のほか、「礼儀」「努力」「忍耐」を「道場訓」に定めて日々の稽古に取り組み、青少年健全育成にも大きく貢献している。弘武館が主催、近畿を中心に全国各地から参加がある近畿少年剣道錬成大会は今秋で55回目の開催となり、小中学生剣士や指導者の交流にも長年一役買っている。
 感謝状を手にした山﨑館長(67)は「OB、OG、保護者の皆さんの力のおかげ。周囲の皆さんの代理でもらってきたという気持ちです」と話し、「来年60周年を迎えますが、また新しい歴史を踏み出せるように頑張っていきたい」とさらなる飛躍へ決意を新たにしていた。