梅雨時期に咲くアジサイ。「七変化」と言われるように、咲いているうちに段々と色を変化させる。しとしと降る雨に打たれ、そのしずくを残す姿は、美しく風流で、日本の梅雨の風物詩。筆者も好きな花だ。漢字では「紫陽花」と書く。調べて見ると、アジサイは日本原産の花で、語源ははっきりしないが、「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」がなまったとされる説が有力だという。このあじさいに対し、本来の「紫陽花」は唐の詩人、白居易が名付けた別の紫の花で、平安時代の学者、源順(みなもとのしたごう)が「アジサイ」にこの漢字を当て、誤用が広まったという。
 そんなアジサイは全国各地に名所があるが、日高地方では日高川町高津尾の中木地区も観賞スポット。7、8年ほど前、県の補助事業で地元住民らで「中木区美しい里づくり会」を設立し、県道沿いに植えたアジサイだ。温泉館やハーブ園などある同地を花々で美しい地域にし、観光客誘致や地域活性化につなげる取り組みだったが、現在ではシーズンになると、約3000本のアジサイが咲き誇る見事なアジサイロードが観賞できる。
 その美しいアジサイを楽しめるイベント「美しの里・日高川まつり~ハーブ・アジサイ~まつり」が6月21日に開催される。里づくり会とハーブの会日高川メンバーによる実行委員会が主催のイベントでことしで4回目。アジサイロードの散策をはじめ、ハーブ園の観賞、ハーブティーのサービス、芳澤あやめ生誕の地や筏流しの難所など巡る美しの里ウォーク、オープンガーデンの見学、各種体験など盛りだくさん。楽しいひとときと癒やしを求めて足を運んでみては。  (昌)