死亡事故の抑止へ向けて御坊署は4日までに、交通取り締まり重点区間を公表した。重大事故に直結するスピード違反を徹底的に検挙する取り組みで、場所は由良町中地区の国道42号を指定した。長い直線が続いており、ついスピードを出してしまいがちな道路で、過去には死亡事故も発生している。師走は毎年重大事故が多発傾向にあり、同署では取り締まりに当たる署員を増員して死者ゼロを目指していく。
 県警がことし8月に策定した「速度取り締まり指針」に基づいて県内各14署がそれぞれ設定。過去5年間の速度超過による人身事故発生状況を分析して場所を選定した。取り締まり区間は半年程度で変更していく方針。
 御坊署管内では過去5年間で「速度超過」が原因による人身事故が18件発生。路線別では国道42号が7件で最も多くなっており、中でも過去に死亡事故が発生し、長い直線でスピードを出しやすい由良町中地区の国道を指定した。場所は美月荘付近から畑地区にかけてで、速度超過を重点に、シートベルトの未着用や飲酒運転、歩行者の横断妨害など重大事故に直結する違反も取り締まっていく。時間帯は過去に事故が多く発生している午前8時から10時、午後2時から4時を中心にするが、深夜を含めて流動的に実施する。
 同署管内のことし1月から11月末現在の人身事故は205件で前年同期に比べて8%減、死者は同4人減の1人にとどまっている。浅見行利交通課長は「重大事故を抑止するため、違反については徹底して取り締まっていく。区間を公表することで、事故が発生しているという意識を高めドライバーの安全運転につながることを期待している」と話している。