日本の伝統的なおもちゃ、けん玉が、いまブームになっているという。日経トレンディなどによると、数年前からアメリカでは、おしゃれなストリート系スポーツ「kendama」としてパフォーマンスのカッコよさを競うなどで楽しまれており、昨年ごろからは原宿の若者らの間でも徐々に流行が広がっているそうだ。
 そんな中、バンダイが7月に発売したけん玉の進化版玩具がかなり売り上げを伸ばしているとのニュースもあった。この玩具メーカーがすごいのは、ただ単にブームに乗っかっただけでないところにある。まずけん玉の色がピンク、赤、青などとカラフル。とにかく、見た目がおしゃれに仕上げられている。さらに、お皿の部分が取り外し可能で、標準よりも大きなサイズのお皿に付け替えられる。また技を「トリック」とカッコよく呼び、トリックを100種類以上提案するなどソフト面にも気を配っている。
 けん玉を昔のままの状態で再び流行させるのは難しかっただろう。この新商品は、第一印象で子どもや若者の心をつかめるようになっている。まったくの初心者でも大きなお皿で練習できれば途中で投げ出されてしまう恐れが少なくなり、上級者になれば小さなお皿にして高度なトリックを披露できるようになるのでなかなか飽きられない。昔ながらの遊びを、ブームとちょっとした工夫でよみがえらせる。うまくできた話だと感心した。
 けん玉だけでない。何かがちょっとしたアイデアで生まれ変わり、爆発的な人気が出るというのはよくあること。再生の秘けつは、けん玉からでも学ぶことができる。勉強、仕事、その他のさまざまな活動の参考にしていきたいものだ。
       (賀)