みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会(会長・小谷芳正町長)は27日、みなべ町役場で第3回総会を開き、申請している「みなべ・田辺の梅システム」の登録に向け、重要なポイントの1つとなる「アクションプラン(行動計画)」について原案通り承認した。来月8日に行われる事前評価を通過すれば、10月10日までに農林省に提出する。
 「みなべ・田辺の梅システム」の特徴は、約400年前から山の斜面を利用し、梅の生産・加工が行われ、それ以前から伝わる製炭技術とともに環境面でも生計面でも持続的な農業を確立していること。生物の多様性も育んでおり、特に梅の受粉に欠かせないミツバチなどの共生関係が築かれている。
 総会には委員ら45人が出席。冒頭で小谷会長が「登録されると、生産者の意欲向上にもつながる。登録を目指して頑張っていこう」とあいさつし、議事ではアクションプランについて審議した。地域の現状の課題を整理し、次世代へどのような形で継承しているのかをまとめた内容で、「梅・炭の生産システムの保全」「生物の多様性の保全と維持」「農耕と結びついた伝統文化産業の伝承」「国内及び国際的な相互作用」の4つのセクションからなり、それぞれについて今後の具体的な対策を示している。期間は平成27年から31年までの5年間。
 今後の日程は7月末に農林水産省に提出している申請書類と来月8日に同省で行われるプレゼンテーションで事前審査され、通過すると同月9・10日に現地調査が行われる。国内の候補地が決定する最終評価は10月20日で、その後は12月に国連食糧農業機関(FAO)に申請される。順調に進めば来年5~6月に開かれる世界農業遺産フォーラムで認定される見込み。
 日本から過去に申請された5件がすべて登録されているだけに、今後行われる国内審査が大きな山場となりそう。今回の世界農業遺産登録には全国から7地域の申請があった。
 総会席上、来月8日に披露されるプレゼンテーションの模擬発表が行われた。プレゼンターを務めたのはみなべ町役場の林秀行課長で、スライドを使いながら「みなべ・田辺の梅システム」の特徴を説明した。林課長は「地元の熱意を伝えたい」と、意気込みを話した。